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第50回木曽音楽祭の聴きどころ

第50回木曽音楽祭の聴きどころについて、山本正治ミュージックディレクターからのお知らせです。
ぜひお読みいただき、木曽音楽祭にお出かけください。
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今年は50回記念の木曽音楽祭になるということで、毎回最後に室内オーケストラ伴奏でモーツァルトの協奏曲を演奏します。

1日目はヴァイオリンとヴィオラの為の協奏交響曲K.364
2日目はオーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンの為の協奏交響曲K.297b
3日目はピアノ協奏曲第23番K.488

2日目に演奏する協奏交響曲297bは、現在では偽作の可能性が高いと言われている曲で、初演の時、何らかの邪魔が入り初演されなかった曰く付きの曲です。楽譜も無くなっていて、後にモーツァルトがもう一度書いたとされる譜面が20世紀初頭に発見されました。その曲が今回演奏される曲です。
最初の時の編成はフルート、オーボエ、ファゴット、ホルンで、発見された楽譜はフルートがクラリネットになっていました。フルートがクラリネットに変わっている点、また全楽章が同じ調子で書かれている点、そしてクラリネットの用法などから、偽作である可能性が高いと言われています。
その事を踏まえて、他のモーツァルトの曲と聴き比べて、偽作かどうか考えてみて下さい。

他に2日目に演奏しますホルストは、今年生誕150年になります。『惑星』で有名ですが、今回演奏される「ピアノと管楽器の為の五重奏」は演奏される事があまり無い曲です。イギリスの香りを楽しんで頂けたらと思います。
同日に演奏しますワインガルトナーは、作曲家だけでなく、グスタフ・マーラーの後任としてウィーン国立歌劇場とウィーン・フィルハーモニー交響楽団の音楽監督に就任するなど、指揮者としても活躍しました。ワインガルトナー指揮のオーケストラ録音が多数あり、ベートーヴェン交響曲全曲などを現在聴く事ができます。今回演奏されるピアノ六重奏曲は、室内楽では珍しく演奏時間45分位かかる大曲です。

3日目に演奏しますシェーンベルクの「浄夜」はリヒャルト・デーメルの詩集『女と世界』に収められている同名の詩に基づき作曲されました。このデーメルの詩集は当時色々物議を醸し出した詩集でした。詩集を読んでから演奏を聴くと面白いと思います。

他の曲もそれぞれ個性のある曲です。楽しんで聴いて頂けると思います。


木曽音楽祭ミュージック・ディレクター 山本正治


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